テレワークとリモートワークは何が違う?導入のポイントも解説
2024.05.16投稿、2024.05.16更新
コロナ禍を経て働き方が変わり、テレワークやリモートワークもだいぶ一般的になってきました。しかし、企業によってはテレワークと表記していたり、リモートワークと言う人がいたりして、表現が統一されていません。テレワークとリモートワークにはどんな違いがあるのでしょうか。
今回は、テレワークとリモートワークの違い、企業側から見たメリット・デメリットと従業員側から見たメリット・デメリット、さらに導入時のポイントも紹介します。
テレワークとリモートワーク
テレワークとリモートワークの違いについて説明します。
テレワークとは
テレワーク(Telework)は、「遠い、離れた」を意味するTeleという接頭辞をwork(働く)につけた言葉です。自宅、出張先、移動中、コワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で仕事をする働き方を指します。
総務省では、テレワークを次のように定義しています。
“テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。”
引用:総務省「ICT利活用の促進|テレワークの推進」
総務省の定義があるため、日本の官公庁や大企業ではリモートワークよりも、テレワークという表現がよく使われているようです。
最近では、テレワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」という働き方を導入する企業も増えています。
ハイブリッドワークについては、次の記事もご参照ください。
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リモートワークとは
リモートワーク(Remote work)は、remote(遠い、遠方の)とwork(働く)の2つの英単語から成る言葉です。テレワークと同じように、オフィスから離れた場所で働くことを指します。
テレワークとリモートワークは違う?
テレワークとリモートワークは、どちらもオフィスから離れた場所で働くことです。この2つにはほぼ違いはなく、使い分ける必要もありません。実際には、相手や状況に合わせて使い分けていることが多いです。
テレワークの3つの形態
テレワークには、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務の3つの形態があります。
在宅勤務
在宅ワークともいいます。出社せず、自宅で業務を行う形態です。コロナ禍で大きく普及しました。
通勤の時間が必要なく、育児や介護との両立といった、個人の事情に合わせた柔軟な働き方も可能になります。
モバイルワーク
移動中や外出先でもオフィスと同じように業務を行う形態です。営業部員のように出張の多い人の業務を効率化できます。
ただし、情報漏洩や端末の盗難・紛失などのリスクがより高くなるので、セキュリティに注意が必要です。
サテライトオフィス勤務
サテライトオフィスやコワーキングスペース、地方支社など、本来の勤務地以外に用意された仕事場で業務を行う形態です。在宅勤務とは異なり、同僚と一緒に仕事をすることも、ひとりで業務に集中することも可能です。セキュリティ対策も十分に行うことができます。
テレワークやリモートワークのメリットとデメリット
テレワークやリモートワークのメリット・デメリットを、企業側と従業員側に分けて紹介します。
企業側のメリット
- 人材を確保しやすくなる
テレワークを導入することで従業員の柔軟な働き方が可能になるため、働きやすい職場環境をつくれます。それによって企業のイメージが向上し、人材募集の応募数の増加や優秀な人材の定着につながります。
- デジタル化の推進につながる
テレワークを推進することによって、システム化やペーパーレス化が進みます。
- 生産性の向上につながる
通勤時間が不要になることで従業員の疲労感がなくなり、時間を有効に使うことができます。また、一人のほうが作業に集中できる場合や、個人の事情に合わせて働きたい人にとってはテレワークが効率的で、生産性向上につながります。
- コスト削減につながる
常に全員が出社しなくてもよくなるので、都心に広いオフィスが必要なくなります。それによって、オフィススペースにかかる費用の軽減が可能になるほか、社員の通勤手当も削減できます。
- BCP対策になる
災害やパンデミックなどの非常事態でも、オフィスに出社することなく業務を行えるため、BCP対策にもなります。そのため、非常事態でも事業を継続しやすくなります。
BCP対策については、次の記事もご参照ください。
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企業側のデメリット
- セキュリティリスクが高くなる
オフィス以外の場所で作業することで、情報漏洩、不正アクセス、マルウェア感染などのさまざまなセキュリティリスクが増大します。
セキュリティ対策については、次の記事もご参照ください。
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- リモートアクセス用の環境構築のコストがかかる
テレワークを導入するためには、企業側にリモートアクセスを可能にする環境を構築しなければなりません。また、従業員にテレワーク用の端末を貸与し、設定やセキュリティ対策を行う必要があります。そのため、ある程度のコストが必要です。
- 従業員間のコミュニケーションが低下するリスクがある
テレワークでは気軽なコミュニケーションがしにくくなります。そのため、互いの状況を把握できない、わからないところを聞きにくいといった状況になりがちです。それによって、生産性のばらつきや作業効率の低下につながる場合があります。
- 管理が難しい
テレワークでは勤務状況が直接見えないので、勤務時間や進捗状況を把握しにくくなります。
- テレワークでの対応が不可能な書類がある
署名押印や直接提出が必要な場合は、出勤しなければなりません。
従業員側のメリット
- ストレスの軽減
通勤が不要になる、自由に住む場所を選べる、人間関係のストレスがなくなるなどのさまざまな理由により、従業員のストレスが軽減します。
- 生産性の向上
割り込み仕事がなくなったり、静かなところで作業ができたりすることで作業に集中しやすくなり、生産性の向上につながります。
- ワークライフバランスの改善
柔軟な働き方が可能になることで、育児や介護と両立させたり、趣味にかける時間を増やしたりでき、ワークライフバランスの改善につながります。
従業員側のデメリット
- コミュニケーションがとりづらい
従業員間で気軽なコミュニケーションがとりにくくなり、チームワークが必要な作業の遂行に影響する場合があります。
- 運動不足
通勤がなくなることで、体を動かす機会が減り、運動不足になるおそれがあります。
- 自己管理が必要
管理職や同僚の目がないので、作業時間や内容、進捗管理などには厳しい自己管理が必要になります。
テレワークのメリット・デメリットについては、次の記事もご参照ください。
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テレワークやリモートワークを導入するときのポイント
企業がテレワークやリモートワークを効果的に運営するために、導入時に検討するとよい項目を紹介します。
ICTツールの導入
ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)ツールの導入は、テレワークには必須です。ICTツールを導入することで、オフィスにいるときと同じように業務を遂行することが可能です。
普段業務に利用しているシステムだけでなく、次のようなさまざまなツールが必要です。
- ファイル共有システム、文書管理システムなど
- オンライン会議
- コミュニケーションツール
- 勤怠管理システム
- 電子決裁、電子印鑑システム
- セキュリティツール
テレワークでのセキュリティ対策については、次の記事もご参照ください。
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ペーパーレス化の推進
書類をデジタル化して、サーバーやシステムで共有します。テレワークでもオフィスにいるときと同じように業務が可能になると同時に、ペーパーレス化の推進につながります。
リモートアクセス環境の整備
テレワークで自宅からオフィスにアクセスするためには、ネットワークの整備、セキュリティツールの導入・設定、従業員への教育などを行う必要があります。これには、ある程度の手間とコストが必要です。
また、リモートアクセス環境で気軽に雑談できる場所を設ける、相談しやすい体制をつくるなど、コミュニケーションがとりやすい環境の整備も必要です。
評価体系の変更、追加
テレワークでは、業務を行う時間や作業の状況がわかりにくくなるので、労働時間ではなく成果を評価するといったような、評価体系の変更や指標の追加が必要です。また、通勤手当や住宅補助などの体系も変更しなければなりません。
テレワークの目的や成果を共有
なんのためにテレワークを導入するのかを周知し、ルールを整備して、全社でテレワークを推進していく雰囲気をつくりましょう。
テレワークとリモートワークに明確な違いはない
テレワークという企業もリモートワークと呼ぶ企業もありますが、どちらもほぼ同じ働き方を指しています。あまり気にする必要はありません。重要なのは、テレワークやリモートワークのメリット・デメリットを理解し、より効果的に導入することです。
企業がテレワークやリモートワークを導入するときには、業務全体をデジタル化してペーパーレス化したり、勤怠管理や評価の方法を変更したりします。ほかにも、さまざまな面で環境を整えていくことが必要です。そのため、テレワークの目的を全社で共有し、一丸となって進めていかなくてはなりません。
テレワークやリモートワークの環境構築には、ある程度の知識やコストが必要です。しかし、企業によっては情報システム部門の規模が小さく、そこまでの手間はかけられないことも多いでしょう。
その場合は、安全な環境下で利用できる法人向けリモートアクセスサービス、CACHATTOのデータレスクライアント「セキュアコンテナ」をおすすめします。少人数で管理でき、高い知識がなくてもセキュリティを確保した接続が可能です。
作業は端末上に生成する隔離領域で行い、作業終了時にはデータを削除することで、私物の端末からでも安心して利用できます。環境を構築する手間も最小限で、低コストです。
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