業務効率化から生まれた「働き方改革」基盤
株式会社インテック様
- 情報通信
- 従業員数 1,001~5,000名
- CACHATTO SecureBrowser
- CACHATTO Desktop
- 情報システム部 金平 剛 氏
- 情報システム部 鈴木 祐介 氏
株式会社インテックは、TISインテックグループの中核として、ICT技術の研究・開発から、それらを基盤としたサービス提供およびコンサルティング、アウトソーシングまでを担うシステムインテグレーターである。総合ITベンダー企業である同社は、社外に技術者として駐在する社員が多い背景もあり、社内・社外の環境に依存せず「場所にとらわれない働き方」を実現すべく基盤を改善してきた。現在それは、「働き方改革」を支える基盤となっている。 同社では、その基盤を支える業務インフラとして、使い勝手と安全性を両立できるCACHATTOを2014年に導入。2018年3月時点で約4,000名の社員が利用しているとのこと。同社の情報システム部担当者に、CACHATTOを選定した経緯や、実際の活用状況について話を伺った。
きっかけは「内線電話の廃止」と「スマートフォンの最大活用」
今回、取材にご協力いただいた情報システム部は、社内システムの企画・開発から運用・保守までを担当している。まずCACHATTO導入のきっかけを金平氏に伺った。
「きっかけとなったのは、2014年に実施した内線電話環境の刷新でした。当時は固定電話が社内に多くあり、レイアウト変更のたびに電話機を増設・移設するため、コストがかかっていました。これを是正するために社員に携帯電話端末を配布し、そちらで内線を受けることを検討しました。」
- 情報システム部
金平 剛 氏
配布端末の選定にあたっては「フィーチャーフォン(ガラケー)」と「スマートフォン(以下、スマホ)」どちらにするかが争点となった。今後の展開を考えると、スマホを導入すべきだというのが情報システム部としての見解であったが、内線通話のためだけにこれを配布することに、過剰投資感があった。そこで、スマホの投資効果を高めるために、「スマホを活用したリモートアクセスシステム」の導入を検討することになった。
同社では多くの社員が社外に常駐している。この社員たちは、普段の業務においては顧客企業のネットワークを利用しているため、自社の業務インフラとは切り離された環境にあった。自社の業務インフラの利用に際しては、VPN経由で社内にリモートアクセスする方法をとっていたが、ワンタイムパスワードを認証に使っていることもあり、手順は煩雑であったという。社外駐在の彼らにも、社内にいる社員と同様にメールや社内ポータルを「安全」かつ「手軽に」利用できるインフラの導入が求められていた。
「スマホの有効活用と、従業員の業務スタイルの改善」。これらを実現するための手段として、情報システム部が白羽の矢を立てたのがCACHATTOだった。
ユーザービリティを求めて「CACHATTO」を選定
従来、同社では内製のリモートアクセスシステムを運用していたが、その利用はなかなか拡大しなかったという。その要因は「ユーザービリティ」にあると金平氏は感じていた。
「どのようなシステムを用意しても、使い勝手が良くなければユーザーは利用してくれません。当時のリモートアクセスシステムは、スマホに適したユーザーインタフェースが提供されておらず、その影響かユーザー数が拡大しませんでした。そこで、社外の製品でスマホ用のユーザーインタフェースが優れているものを探していました。そんな時にCACHATTOに出会いました。」(金平氏)
CACHATTOであれば、ユーザーの拡大が見込めると考えた金平氏は、導入に向け社内の説得に入った。しかし、“自社で作る”能力があるにもかかわらず、他社製品を入れることに反発もあったという。そこで、役職者50名に1ヵ月トライアルに参加してもらった。CACHATTOに触れて、そのよさを体感してもらおうという作戦だ。
金平氏は続ける。「1ヵ月のトライアル後にアンケートを実施したところ、なんと50名全員が『利用の継続』を希望しました。中には『ないと困る』『もし却下となったとしても、自分の部所だけでも使う』という声もあがりました。」
勤怠管理システムの改善で働き方が変わる
トライアルを踏まえ、CACHATTOの導入が決定。導入に際してまず取り組んだのが「勤怠管理システムへのアクセス手段の改善」だ。同社では従業員の勤怠状況を正確に把握できる方法を模索していた。従来、日次の勤務表入力や残業申請のタイミングが実態とずれることも多く、特に社外に常駐している社員は、月末に勤怠をまとめて入力、申請することが多かった。「月末になって初めて、驚くほど残業していることが分かることもあった。」という。
- 情報システム部
鈴木 祐介 氏
そこで、CACHATTOでスマホから勤怠管理システムにアクセスする仕組みを用意した。従来PC用の画面しかなかった勤怠管理システムに、スマホ用ユーザーインターフェースを開発し、これをCACHATTOに連携した。「CACHATTOを利用している従業員は、簡単に勤務表へのアクセスができるようになりました。その結果、今では日次で勤務状況が把握できるようになりました。」(金平氏)さらに、残業の申請、承認も社外からCACHATTOを使ってできるようにしたという。
また、各部所で個別管理していたファイルサーバーを1ヵ所に集約し、CACHATTOからもアクセス、閲覧できるようにした。
CACHATTOサーバーの構築を担当した鈴木氏にその時の苦労を伺った。
「最初はCACHATTOサーバーとActive Directoryの連携部分に苦戦しました。自分で
マニュアルを片手に試行錯誤していましたが、CACHATTOサポートセンターに連絡したところ、迅速に対応いただき完了することができました。」とCACHATTOサポートセンターのレスポンスの良さにお褒めの言葉をいただいた。「他のソフトウェアなどは問い合わせてもなかなか回答が返ってこないことが多い中、CACHATTOのサポート力には本当に助けられました。」(鈴木氏)
情報システム部主導による業務スタイル改善への取り組みにおいて、業務インフラ改善はCACHATTO導入にとどまらず、シンクライアントの全社導入や印刷認証基盤の整備、業務用チャットシステムの導入、無線LAN環境の整備など、多岐に渡って進められたという。最初から「働き方改革」を目指してプロジェクトを進めてきたわけではなかったが「一つひとつの独立した問題を業務の効率化を目指し、改善した結果、こうして振り返ってみると「働き方改革」に対応できる基盤になりました。」(金平氏)
ログ解析で先手を打つ社内システムづくり
CACHATTOを活用した業務の効率化への取り組みは「勤怠管理システム」にとどまらない。「勤怠管理システム」と同様、基幹システムのスマホ用ユーザーインタフェースを自社開発し、CACHATTOと連携した。同社の基幹システムの多くがCACHATTOのトップ画面のアイコンからアクセス可能になっている。さらに、従業員の利用状況をCACHATTOのダッシュボードとアクセスログから確認、分析し、アイコン配列を調整するなど、ユーザーの利便性を高める改善を日々続けている。
「こうしたシステムは、社内の従業員数千人が使うものです。情報システム部がかけるひと手間が、企業内の従業員全体のワンクリックを減らし、延いては業務の効率化につながります。使い勝手のよい製品は口コミで広がり、利用希望を申請するユーザーも自然と増えていきます。」(金平氏)
運用コストを下げる努力も怠らない。同社ではアカウント管理を自動化しており、組織の変更、新入社員の登録などは、社員マスターで一元管理している。人事担当者がひとつのシステムに社員の追加や部所異動を登録すれば、それに紐づくすべてのシステムの利用者情報にも反映される仕組みだ。もちろん、リモートアクセスをつかさどるCACHATTOもこの仕組みに組み込まれている。社員はワークフローシステムでCACHATTOの利用申請をして承認されると、翌日には自動的にCACHATTOのアカウントが作成されて利用できる。
これらすべては情報システム部が「ユーザーのひと手間をいかに減らすか」「定常業務をいかに効率化するか」を考え抜いた結果だ。わずか15名という限られた人数でこれだけの改善を実現できた要因について金平氏はこう語る。
「人数が限られているため、ひとつでもトラブルが発生すると、それにすべての工数が持っていかれてしまいます。そうならないように定常業務を考えた結果、今の状態になりました。また、常にログに立ち返るようにしています。ログを見ればこの先1、2年で何をするべきなのかが見えてきます。何か起こってから対応するのは大変ですが、事前に対応しておくのは比較的容易ですから。」
働き方改革とは、単なるリモートワーク対応ではない
同社では、CACHATTOのほか、さまざまなプロジェクトにより、結果として「働き方改革」が実現された。現在はガバナンス強化への取り組みとして、社員駐在先での出退社時刻の把握に注目しているという。「社内ならば入退館管理システムのログから出退社時刻を把握できますが、駐在先ではそれができません。今後はスマホの位置情報と勤務表の入力時刻情報をあわせることで、さらなるガバナンス強化をできるような仕組みも検討したいと思います。」(金平氏)
最後に、今後のCACHATTOに期待されることについて伺った。
「CACHATTO Desktop※1の利用状況を把握したいです。現在、CACHATTOユーザーライセンスと同数のCACHATTO Desktop※1ライセンスを保有していますが、実際にどの程度利用されているのかまでは把握できていません。アクセス数だけでなく、リピーターとして根づいているのか、そうでないとしたらなにが問題なのかを深掘りしたいと考えています。アンケートなど人によって回答の温度感が変わってしまうものではなく、あくまで利用実態を把握して次の手を打ちたいと思っています。」(金平氏)
働き方改革は単なる「テレワーク対応」や「在宅勤務対応」ではない。今ある環境をよりよくする―そうした努力の積み重ねが、数年後、結果として“改革”と呼ばれるようになるのかもしれない。
株式会社インテック
1964年、株式会社インテックは「富山計算センター」として、社員17名でスタート。お客さまの経営戦略に沿った情報化戦略の立案からシステムの企画、開発、アウトソーシング、サービス提供、運用保守まで、IT分野において幅広く事業を展開。特にデータセンター事業は、東京、横浜、大阪、富山などのデータセンターを高速回線で接続した高信頼性サービスを提供している。インテックは、創業以来50余年にわたって培ってきた技術力をもとに、安全・安心、便利でSmartな、心地よい社会の実現を目指し、挑戦を続けてまいります。
本社所在地 | 富山県富山市牛島新町5-5 |
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資本金 | 208億30百万円 |
設立 | 1964年1月11日 |
事業内容 | 技術研究、ICTコンサルティング、ソフトウェア開発、システム・インテグレーション、ネットワークサービス、アウトソーシングサービス |
従業員数 | 3,519名(2017年12月1日現在) |
URL | https://www.intec.co.jp/ |