モバイルワークから在宅勤務へ 役割を変える自治体職員のテレワーク

神戸市様
  • 官公庁・自治体
  • 従業員数 10,001名以上
  • CACHATTO SecureBrowser
  • Splashtop for CACHATTO
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お話を伺ったご担当者様
  • 神戸市役所 企画調整局 情報化戦略部 横尾 健太郎 氏、深尾 義輝 氏

神戸市では、2017年より職員のワークライフバランスを実現し、業務改革を進めるために「働き方改革推進チーム」を結成し、「多様な働き方の推進」や「業務の省力化・生産性向上」といった観点から職員の働き方改革を推進してきた。その中でも、職員のテレワーク推進におけるツール活用やコロナ禍における取り組みについて話を伺った。

スマートデバイスからのグループウェア閲覧

神戸市では、働き方推進チームを中心に職員の働き方改革に関するロードマップを公開して、多方面にわたる業務改革を推進してきた。そのチームにおいて、ICTを活用した職員の働き方改革推進を担っているのが企画調整局 情報化戦略部である。職員の働き方改革に関する施策として取り組んだことのひとつがグループウェアの導入と、それに伴う庁外からのスケジュール閲覧だった。

「全庁的にグループウェアを導入したことをきっかけに、幹部層からスマートフォンでスケジュールを参照したいという要望がありました。その課題を解決できるソリューションとして白羽の矢が立ったのがCACHATTOでした」(横尾氏)

職員の中でも、特に多忙を極める局長級メンバーのスケジュール管理は手帳で行われており、リアルタイムなスケジュール確認や変更に対応ができないことがあったという。その課題を解決する手段として、CACHATTOが採用された。数あるリモートアクセスソリューションの中から、CACHATTOを採用した際に重視したポイントはどういったものだったのか。

「様々なソリューションの情報収集をしていましたが、種類の多いスマートフォンへの対応という観点でCACHATTOが候補に挙がりました。トライアルなども実施しましたが、実際にCACHATTOを使ったことがあるCIO補佐官の方から製品の具体的な情報を聞けたことが、私たちにとって大きなポイントでした」(横尾氏)

CACHATTOを導入したことによって、セキュアブラウザからグループウェアがいつでも参照できるようになり、リアルタイムなスケジュール確認が可能になったことで利用者からは好評だという。

モバイルワークからコロナ禍における在宅勤務へ

2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、感染防止策として出勤者数の抑制が政府から要請される事態となった。自治体である神戸市も例外ではない。このコロナ禍の状況に対して、神戸市はどのような対策を実行したのか。

「20年4月に政府による緊急事態宣言が発令されましたが、当時は職員のテレワークの需要を満たすインフラが十分に提供できていたわけではありませんでした。職員の出勤を7割抑制するという方針のもとで整備を進めていましたが、テレワークで実際の業務環境に近い環境で業務できる職員は限られていました」(横尾氏)

そういった状況の中でまず取り組んだのは、職員がPCで在宅勤務できる環境の拡充だった。LTE回線を利用したIP-VPNを利用して庁内ネットワークと閉域接続し、持ち帰った業務端末で在宅勤務を実施するシステムがあり、その端末や回線数を増やすことで、テレワークを実施できる職員数を増やす対策を実施した。

「LTE回線で接続できる環境を2,000人対応まで増やしましたが、ピーク時のテレワークを支えるにはまだ不足があります。今後も端末を増やし続けることが最適な方法かどうかという議論がありました。そんな中で、昨今は職員の自宅にPCがあるケースも多く、既存の私用デバイスを活用する選択肢として、Splashtop for CACHATTOの試行を開始しました」(横尾氏)

Splashtop for CACHATTOはCACHATTOのリモートデスクトップオプションである。神戸市では既にCACHATTOを導入済みのため、ライセンス追加のみで試行することが可能であった。VPN接続を利用しない画面転送式のリモートアクセスサービスで、スクリーンショットの取得抑制など、データ持ち出しを制限する機能に特長がある。実際に試行している職員の反応について伺った。

「業務端末を持ち帰って業務をする場合と比較すると、Splashtop for CACHATTOはリモートデスクトップ接続である分、インターネット接続環境によって操作のラグを感じるといった意見はありますが、在宅勤務においても執務スペースと変わらない業務が実施できるというポジティブな意見も聞こえてきます」(横尾氏)

まだ試行段階ではあるが、職員の私用端末活用の観点でも、Splashtop for CACHATTOの利用用途には可能性がありそうだ。

自治体職員の業務を支えるテレワーク

取材時点(21年1月)では、まだ新型コロナウイルス感染症は収束を見せておらず、広い範囲でその影響が継続している状況だ。このコロナ禍を機により重要性を増した自治体職員のテレワークについて、インフラ整備などの観点から課題や可能性についてお二方に伺った。

「インフラを整備するという観点では、自治体の職員規模や財政規模によって様々な課題があります。例えば、職員規模の小さな自治体だったら簡単に整備できるかといえば、必ずしもそうではないと思います。」(深尾氏)
「自治体の業務は福祉の分野もあれば観光の分野もあり、それぞれの部門で全く異なるツールを持っています。共通ツールであるグループウェアやファイルサーバーへのアクセスだけでなく、テレワークでどこまで対応できるかという点で、まだまだ活用の余地はあると考えています」(横尾氏)

神戸市は人口150万を超す政令指定都市であり、市の職員数は1万人を超えている。大きな組織ならではの困難さに向き合いながら、テレワークを推進している管理者の視点から見たCACHATTOの管理機能については、どのように評価しているのだろうか。

「管理者としては、管理画面のユーザーインターフェースもわかりやすく、セキュリティの高さにも安心感があります。今後の要望としては、より柔軟なライセンス体系を選択できるとより良いですね。例えば、台風のシーズンだけ少し利用ユーザーを増やすような準備ができると、自治体としては安心できます」(横尾氏)

自治体におけるテレワークは、職員の多様な働き方の実現だけでなく、自治体の任務として有事への備えの役割も期待されていることがわかる。最後に、今後のテレワーク推進について伺った。

「”ウィズコロナ”という言葉が出てきたくらい、スタンダードそのものが変わりつつあります。ただ、こういったコロナ禍や災害などの有事の際もそうですが、強い組織づくりにおいてテレワークは非常に武器になることが再認識できました。このコロナ禍を機に初めて在宅勤務を行った職員にとっても、テレワークは身近な存在になってきています。引き続き、総務省で検討された方針を踏まえつつ、職員が柔軟にテレワークを実施できる環境整備を進めていきたいと考えています」(横尾氏)

テレワークは、「働き方改革」の施策のひとつから、自治体業務に不可欠なものへと存在感を増している。
これからも神戸市のテレワーク推進を支えるツールとして、CACHATTOも進化を続けていく。

神戸市

神戸市は、人口 約152万人を誇る兵庫県の県庁所在地であり、政令指定都市である。六甲山系の豊かな自然と国際貿易港である神戸港を有し、異国情緒あふれる街並みや有馬温泉などの魅力的な観光スポットへ訪問する観光客数も多い国際都市である。

所在地 兵庫県神戸市中央区加納町6丁目5-1
URL https://www.city.kobe.lg.jp/
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