同時接続ライセンスで管理者の負担を解消し、コストを抑制。職員の仕事の進め方も改革し、メリハリのついた働き方を実現
伊丹市様
- 官公庁・自治体
- 従業員数 1,001~5,000名
- CACHATTOリモートデスクトップ
-
導入前の課題
- コロナ禍を契機に、ユーザーライセンス制のリモートデスクトップでテレワーク環境を整備
- 限られた数の貸出端末を交替利用する運用だったが、貸出時のアカウント登録などで管理者の業務が過密化
-
選んだ理由
- 同時に利用するユーザー数に応じたライセンス制
- 端末貸出時のアカウント登録が不要
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導入による効果
- テレワーク環境の維持費が抑制され、貸出端末の管理業務の負担も軽減
- 急なテレワークの要望にも対応でき、迅速にテレワーク環境を提供
- 職場全体の仕事への意識が改革され、メリハリをつけた仕事の進め方が浸透
- 伊丹市役所 総務部 人事課 主査 真鍋 氏
- 伊丹市役所 総合政策部 デジタル戦略室 主任 村社 氏
- 伊丹市役所 総合政策部 デジタル戦略室 木庭 氏
- (写真左から)木庭氏、村社氏、真鍋氏
総務省は「テレワークで業務用端末を利用する場合の対策」として、「貸出端末以外の端末は、原則社外への持ち出しを禁止する」ことを挙げています。しかし、一人ひとりに対して職場用と貸出用、2台の専用端末を用意する例は稀で、必要に応じて共有するといったことも多いのではないでしょうか。
2022年11月の新庁舎への移転を機に、テレワーク環境の改善を期待して「CACHATTOリモートデスクトップ(カチャットリモートデスクトップ)」を導入された伊丹市様。同時に利用する人数に応じた料金体系で、テレワーク環境の維持費を抑えられる「CACHATTOリモートデスクトップ」は、限られた数の貸出端末を交替で利用するといった運用にもマッチし、管理者・利用者双方の業務効率改善につながりました。
今回は「CACHATTOリモートデスクトップ」をご利用いただいている、伊丹市人事課 主査 真鍋様、デジタル戦略室 主任 村社様、木庭様にお話をうかがい、ご活用の様子や、CACHATTOで今後実現したいことなどをお聞きしました。
緊急事態宣言を機に、急ピッチでストレスなく仕事ができるテレワーク環境を整備
―――伊丹市について、また皆様のご担当業務について教えてください。
真鍋様:伊丹市役所は本庁に約1,200人の職員が所属しており、私は人事課で庁内のテレワーク事業の総合的な取りまとめなどを担当しています。
村社様:私と木庭はデジタル戦略室に所属し、庁内事務系システムの業務を担当する中でテレワークシステムの運用を担当しています。
―――弊社とは2020年に「Splashtop for CACHATTO(スプラッシュトップ フォー カチャット)」を導入いただいて以来のお付き合いですね。導入目的はコロナ禍でのテレワーク実施だったのでしょうか。
村社様:伊丹市では2019年6月に「Smart Itami宣言」を行い、働き方改革に取り組んでいました。その一環として、テレワークを推進しようとしているさなか、新型コロナウイルス感染症が広がり、2020年4月に緊急事態宣言が発出されてから急ピッチでテレワーク環境の構築を進めました。Splashtop for CACHATTOを導入するまで、並行して他社製品も検討してはいましたが、当時は政府が社会全体でオフィス出勤者の7割削減を掲げるなかで、業務継続と出勤抑制の両立を急いでいたこともあり、無償版をすぐに利用できたSplashtop for CACHATTOから先に検証を始めました。そこでリモートアクセスした際にストレスなく仕事ができ、利用しやすかったことが決め手となって、当時の通信環境で許容できる200ライセンスの導入に至りました。
ライセンスや端末の管理で業務が過密化。1端末1ユーザーの縛りがなく、同時接続数ライセンスのCACHATTOリモートデスクトップへ移行
―――現在は「CACHATTOリモートデスクトップ」をご利用いただいていますね。移行のきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
村社様:庁外へ持ち出しできる端末の数が限られているため、1つの端末を複数の職員が交替で持ち出すという運用状況になっていまして。それに付帯する作業をデジタル戦略室の担当者数名で行っていたのですが、導入当初よりもさらに新型コロナウイルス感染症の流行が広がったことで、テレワークをしたい職員も想定よりも多くなり、業務が過密化してしまったのです。
木庭様:Splashtop for CACHATTOでは1端末に対して1ユーザーとなっており、契約ライセンス数も限られていたので、使い終わった人のユーザーアカウントを削除して、次に使いたい人のユーザーアカウントを登録して、感染症対策のために端末の消毒もして……という作業を行っていました。当時は、この煩雑な作業をこなすだけでかなり大変でした。
真鍋様:伊丹市は30~40代の職員、いわゆる子育て世代が全職員の3~4割を占めており、学校の休校、保育所の休園などによって急にテレワーク環境が必要な職員が発生しやすかったのもありますね。BYOD(職員の私物端末の業務利用)が可能な職員にはBYODで対応してもらっておりますが、利用率は約3割といったところでしょうか。自宅に端末を持っている職員はもう少し多いのですが、セキュリティソフトやOSなどの条件がそろっていないケースもあり、約7割の職員は貸出端末を利用しています。
―――端末の数も、ユーザー数も限られていて、それでもやりくりしてテレワークを実施しなければならない、非常に差し迫った状況ですね。ただ、利用頻度とコストのバランスを考えると「1人1端末1ユーザー」を確保するのも難しいかもしれません。
村社様:そこでSplashtop for CACHATTO「200ライセンス」ではなく「ユーザー登録数720名・同時接続200名」のCACHATTOリモートデスクトップへ移行することになりました。同時接続ライセンスであることでコストも抑えられますし、「1端末1ユーザー」といった縛りもないので、貸出端末のアカウントの付け替え作業はありません。そのため、720名を事前に登録しておけば、本庁職員の半数以上はすぐにテレワーク可能な環境を整えられます。
木庭様:使い慣れていたCACHATTOのまま移行できたのも良かったですね。別の製品になると、またいちからネットワークの設定などを構築することになりますから。
真鍋様:実際に利用している職員からも、動きが軽くなって操作感が良くなったという声が寄せられています。
テレワークの導入により職場全体で仕事の進め方を改革。問い合わせ対応は職場、事務作業は自宅と、メリハリをつけて働ける環境で業務効率アップ
―――実際に利用されている職員の方からはどのような声がありましたか。
真鍋様:CACHATTOを約2カ月で導入し、最低限の整備ができたと考えていましたが、私たち行政機関は業務で使う情報を紙で保管しているので、人事課には「パソコンは繋がるようになったけど、仕事で必要な資料などは自宅で見られない」という声が寄せられました。物理的な職場にとらわれない働き方を実現するにはハンコレスとペーパーレスを実現しないといけなかったので、デジタル戦略室だけでなく、庁内の別のセクションと一緒に取り組みました。現在そういう声がなくなってきていて、普段登庁してする仕事と同じ仕事ができるようになったという印象があります。
―――仕事の進め方自体が全体的に改革されてきたということですね。
真鍋様:2020年、CACHATTOを導入してから数カ月後に、当時テレワークを利用していた100名程を対象にアンケートを実施したところ、約半分は「業務効率が上がった」、4割は「変わらなかった」、残りの1割は「業務効率が下がった」という回答でした。そこで、業務効率が上がったと回答した方の部署に、「環境が整っていないなかで、どのようにして業務効率を上げたのか」をヒアリングしたところ、「テレワークをきっかけに仕事そのもののやり方を部署全体で見直した」という意見がありました。私どものような基礎自治体ですと、日中は市民からの問い合わせ業務に対応して、合間で事務仕事をし、間に合わないから残業になる、ということが日常的にあります。それをテレワークの導入を機に、職場に出勤している時は市民対応に、在宅勤務時は事務仕事に集中するという、メリハリをつけた仕事の進め方を意識するきっかけになったように感じます。
テレワーク環境は、緊急時だけでなく平時の育児や介護との両立のためにも重要
―――近隣自治体の方と、テレワーク環境整備に関する情報交換などを行うこともありますか。
真鍋様:伊丹市を含む阪神地域でも「対象の職員全員のアカウントをあらかじめ確保しておいて、誰でもすぐテレワークができるようにする」という運用をしている自治体はまだ少ないようです。個人情報を取り扱うなど、テレワーク利用頻度が低く環境整備のコストパフォーマンスを問われる部署もあるなか、「どのように庁内へ説明して、決裁をもらったのか」ですとか、「どのように精査していって整備したのか」といったことは、近隣自治体の職員から聞かれますね。
ただ伊丹市の場合はシンプルで、「緊急時に通常と同じレベルで自治体の業務を継続させる」ということに、市長をはじめ皆理解がありました。もちろんこの環境を平時においても活用し、多様な職員の働き方を実現していくこともテレワーク推進の目的の一つでありますので、人事課としては平時の業務でも、育児や介護との両立のために使ってもらいたいと考えています。
―――なるほど。実際に、平時にテレワークを利用される職員様も増えてきているのですか。
真鍋様:そうですね。制度上、例えば1週間登庁せずにテレワークのみで勤務するといったことはできないのですが、それでもご家族の介護のためにですとか、お子さんが体調を崩されたですとか、これまでであれば仕事自体を休んでいたようなケースでも「今日は在宅で勤務します」ということは増えていますし、我々も力を入れています。
―――今後の展望について、どのようにお考えしょうか。
真鍋様:今後どう業務改革を進めていくか、生産年齢人口の減少やワークライフバランスの推進といった課題がなくなるわけではありませんから、生産性を高める取り組みは続けていかなければなりません。次のフェーズで何をするべきかを今、伊丹市として考えているところです。
―――こうして自治体の皆様が先陣を切って改革を進められることで、市民の皆様のロールモデルとなる側面もあるかと思います。CACHATTOが伊丹市職員様、ひいては市民の皆様の働き方改革に少しでも役立てるよう、今後もサポートに努めてまいります。本日はありがとうございました。
伊丹市
伊丹市は兵庫県と大阪府の府県境に位置し、清酒発祥の地として文化庁から日本遺産の認定を受けるなど、歴史・文化の発展とともに栄えてきました。市東部には、関西の基幹空港である「大阪国際空港」(伊丹空港)が位置しており、交通と交流の要衝として重要な役割を果たしています。
所在地 | 兵庫県伊丹市千僧1-1 |
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職員数 | 1,200人 |
URL | https://www.city.itami.lg.jp/ |
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出典:「女性国家公務員の活躍事例(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_w2.html)」(内閣官房ホームページ)
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