サッポログループマネジメント株式会社様

- インタビューにお答えいただいた担当者様:
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サッポログループマネジメント株式会社
グループIT統括部
インフラグループリーダー 野上 誠一 氏
課長代理 山内 健次郎 氏
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株式会社野村総合研究所
サービス・産業ソリューション第一事業本部
副主任 鈴木 秀明 氏
事例詳細

ビール製造を発祥とするサッポロホールディングス株式会社は、現在「国内酒類事業、国際事業、食品・飲料事業、外食事業、不動産事業」を主要事業として展開しており、「食」と「空間」の2分野でさらなる事業創造に邁進されている。一般消費者の目に触れるところではサッポロ生ビール黒ラベル、ヱビスビール、ポッカコーヒー、ポッカレモンなどがブランドとして親しまれているが、ビヤホールの銀座ライオン、恵比寿ガーデンプレイス、カフェ・ド・クリエも同社の運営事業であり、グループ企業は32社に上る。
今回のインタビューにご対応いただいたサッポログループマネジメント株式会社は、法務・CSR・総務・人事・経理・品質保証・情報システムなどグループ内の専門性を伴う機能、事業会社に共通するサポート機能を担当し、多様化・拡大するサッポログループのグループマネジメント機能を担っている。
契約更新を機に携帯電話からスマートフォンへの移行を検討

グループIT統括部
課長代理 山内 健次郎 氏
2011年、サッポロビール株式会社の営業担当者が使用する携帯電話は契約更新時期を迎えており、契約更新にあたって携帯電話からスマートフォンへの移行と、そのスマートフォンの活用環境構築についてプロジェクトで検討されることになった。プロジェクトを中心となって推進されたサッポログループマネジメント株式会社 グループIT統括部 課長代理 山内氏に当時の経緯について伺った。
「当時、既にリモートアクセス端末としてスマートフォンが注目されていました。そこで契約更新にあたってスマートフォンへの移行を図り、スマートフォンでの社内情報アクセスインフラの整備による業務効率化、併せて通信コストダウンを目標にシステムの導入検討に着手しました。
通信コストダウンについては、利用キャリアを集約し、会社に電話を掛ける際にはキャリア提供の内線通話サービス(FMCサービス)を利用することにし、その利用促進のためにスマートフォン用内線電話帳の自社開発を検討しました。
しかし実機評価の結果、スマートフォンはメールやスケジュール確認などの機能について非常に評価が高かったものの、携帯電話に比べて、音声品質や留守番電話機能などの電話機能そのものが弱く、本来の電話用途においてはまだ満足できるレベルではなく、導入によりかえって機能後退することが懸念されました。また、セキュリティ面でもMDMもまだ黎明期であったため、スマートフォンの対応機種なども限られていました。
これらのことから、当時の更新にあたっては本来の目的である電話機能を重視し、スマートフォンへの全面移行は時期尚早と判断してひとまず見送り、携帯電話を継続利用することに決定しました」と山内氏は語る。
サッポロビール営業部門からのリモートアクセスへの要望
「働き方改革」。
携帯電話の利用継続が決定されることとなった翌年の2012年、サッポロビール社内のプロジェクトとして営業活動の効率化、在宅勤務のあり方の検討を目的とした「働き方改革」がスタートした。そのプロジェクトを通じ、携帯電話からのリモートアクセスインフラの整備について営業部門から要望が上がりつつあった。山内氏に当時を振り返ってもらった。
「『働き方改革』プロジェクトの中で、社員一人一人の効率的な働き方の検討がなされ、『携帯電話を使って外にいてもメールやスケジュールなどの社内情報にアクセスしたい』という声が上がってきていました。それを踏まえ、携帯電話に対応したリモートアクセス製品の検討に入りました」
CACHATTOの導入へ
「携帯電話向けのリモートアクセス製品の選定ポイントとして『セキュリティ』の他、グループ全体での利用を想定し『大規模対応』を重視しました。そして製品調査の結果、
- ・端末にデータが残らない
- ・携帯電話とスマートデバイスの両方に対応
- ・導入負荷が少ない(導入が容易)と想定
というメリットからCACHATTOを最有力候補とし、約1ヶ月の検証運用を経て採用を決定しました。CACHATTOなら携帯電話でメール、スケジュールが参照でき、さらにアドレス帳機能を内線電話帳として使用することで、FMCサービスの利用拡大にもつながることが期待できたのです」と山内氏は明かす。
「2013年3月に本格導入を開始しました。2日でシステムを立ち上げ、日本全国のサッポロビールの営業担当者670名、およびグループ企業の従業員、計1,000名へのサービス提供を開始しました。同年9月現在、順調に稼働しており、外出が多い営業担当者の業務インフラとして定着しています。
また、アドレス帳活用での携帯電話の内線通話化では携帯電話通信料も半減し、コスト削減も実現することができました」と山内氏は胸を張る。

「端末にデータを持たないから、気持ちが楽です」

グループIT統括部
インフラグループリーダー
野上 誠一 氏
CACHATTOの選定に至った経緯と導入後の感想について同社 グループIT統括部 インフラグループリーダー 野上氏が補足する。
「スマートフォン向け電話帳の自社開発企画では『端末内にデータを持ち、それを暗号化して守る』というコンセプトでしたが、CACHATTOは『端末内にデータを持たない』仕組みのため、セキュリティ面で、我々の要求仕様を満たしていると判断しました。情報漏えいリスクを極小化しつつ、社外からリモートアクセスしてメール・スケジュールが利用できる点に満足しています。
端末内にデータがありませんので、万一(紛失・盗難)の際にも心配しなくてもいい。気持ちが楽ですよ」
予想に反したシステム立ち上げ

サービス・産業ソリューション第一事業本部
副主任 鈴木 秀明 氏
サッポログループにおけるCACHATTOの運用を担当されている株式会社野村総合研究所 サービス・産業ソリューション第一事業本部 副主任 鈴木氏にもCACHATTO立ち上げ当時を振り返ってもらった。
「当初は670ユーザー規模のシステムの立ち上げです。立ち上げには数週間かかること覚悟をしていました。しかし予想に反したったの2日間で稼働させることができました。実に導入が簡単な製品です。その後は1,000ユーザー規模の拡大運用においても問い合わせは予想より少ないです。運用工数が小さく、楽な製品です」
BYOD(私物端末の業務利用)によるスマートデバイスの活用にも着手

前回更新で利用継続となっていた携帯電話群は2年が経過し、端末更新タイミングを再び迎えている。現在は市場にスマートフォンやタブレット製品が充実し、機能も著しく向上しているため、社給端末はスマートデバイスへ更新することで使い勝手をさらに向上させるとともに、利用者もサッポログループ各企業に拡大されている。
また、トレンドであるスマートデバイスのBYOD(私物端末の業務利用)についても環境整備に着手されているという。
「『タブレット型端末は営業現場でのプレゼンテーションにどの効果を発揮するのか?』『スマートデバイスの活用により業務効率は向上するのか?』スマートデバイス活用、そしてBYODの効果を、サッポロビール社内の管理職60名程で検証した結果、使用者からは概ね良い評価を得たことと、検証を見た他の社員から『早く拡大して欲しい』との要望が上がっているため、BYOD申請からCACHATTOユーザーライセンス付与までの社内フロー策定やルール化を急ぎ進めているところです」(野上氏)
サッポログループマネジメント社による、現場の業務環境改善への弛みない取り組みは、まさに「潤いを創造し豊かさに貢献する」というサッポログループの企業理念の一端を示している。
お客様会社概要


サッポログループマネジメント株式会社は、サッポログループの法務・CSR・総務・人事・経理・品質保証など専門性を伴う機能、事業会社に共通するサポート機能などの、グループ本社機能を担う組織として2011年3月に設立された。同社は、グループ経営計画に基づく成長戦略の展開にあたり、グループの事業領域に対応するグループマネジメント機能を担っている。
会社名 | サッポログループマネジメント株式会社 |
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本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー37階 |
従業員数 | 177名(2012年末現在) |
売上高 | 766,800万円(2012年12月期) |
事業内容 | グループコーポレート機能およびサッポログループ共通業務 |
会社名 | サッポロホールディングス株式会社 |
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本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス内 |
従業員数 | 7,264名 連結、50名 単体(2012年現在) |
売上高 | 49,249,000万円 連結(2012年12月期) |
事業内容 | 持株会社 |
URL | http://www.sapporoholdings.jp/ |
会社名 | サッポロビール株式会社 |
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本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス内 |
従業員数 | 2,221名(2012年4月現在) |
売上高 | 27,013,700万円(2012年12月期) |
事業内容 | ビール・発泡酒・その他の酒類の製造・販売、ワイン・洋酒の販売、他 |
URL | http://www.sapporobeer.jp/ |